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【花形出番です】講談師・神田松之丞(2) 江戸の空気感に「これだ」

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【花形出番です】
講談師・神田松之丞(2) 江戸の空気感に「これだ」

講談師・神田松之丞さん(宮川浩和撮影) 講談師・神田松之丞さん(宮川浩和撮影)

 初めて講談を聴いたのは大学生のときです。落語の立川談志師匠が好きなものを吸収したいと思っていた時期で、その中に講談がありました。談志師匠が評価していた六代目神田伯龍を聴きに行きました。

 期待して行ったんですが、最初は全然分からなかった。まだ若くて知識がないのもあったんですが、初心者に親切ではなく、常連に向かってやっている感じがして、ピンと来なかった。とはいえ、談志師匠がいいと言うんだから、意地でも面白いと思うまで行こうと思って伯龍の講談を聴きに通いましたが、やはり分からなかった。

 ところがあるとき、江戸時代の悪徳医者が主人公の講談「村井長庵」の一席「雨夜(あまよ)の裏田圃(うらたんぼ)」を聴いたんです。主人公が手下に自分の妹を殺させる場面があって、その描写が生々しかった。爛熟(らんじゅく)した江戸で、底辺の人間はどうやっても上には上がれない行き詰まった感じ。その空気感がとても良かった。

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