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【話の肖像画】編集者・岸田一郎(1)「モテたい」が中年男性の本音…『LEON』元編集長が66歳で新たな挑戦

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【話の肖像画】
編集者・岸田一郎(1)「モテたい」が中年男性の本音…『LEON』元編集長が66歳で新たな挑戦

岸田一郎氏(寺河内美奈撮影) 岸田一郎氏(寺河内美奈撮影)

 〈数々の雑誌の成功の背景には、冷静な分析と戦略があった〉

 出版業界では、「編集長が描く理想の世界を、ページを通して読者に伝える」という考えも少なくありませんでした。それで売れたらもちろんいいけれど、編集者はアーティストではないので、採算を考え、ビジネスとして成り立たせないといけません。

 ライフスタイル誌の読者は、いい意味でミーハーな人たち。ファッションでも車でも、彼らが望んでいるのは「~道」とも言えるような専門的な趣味の追求ではありません。ブームを起こすのは、ミーハーな浮動票をどれだけ巻き込めるかにかかっています。リサーチや意識調査は参考にしません。調査が扱うのは「今」の話。次のワクワクを提案するから、読者は新鮮に受け止めてくれる。ファッションやラグジュアリー商品には正解がないから、雑誌が「これがかっこいいですよ」という見立てを紹介する。次のワクワクを雑誌が作るんです。そのためには自分もブームにどっぷりつからないといけない。読者よりも早く飽きて、次のブームを見立てるんです。だから、ボク自身も、バイクや車、時計…と趣味は多いです。基本的に、遊び人でミーハーなのかもしれません。(聞き手 油原聡子)

                   

 【プロフィル】岸田一郎 きしだ・いちろう

 昭和26年大阪市生まれ。日本大学卒業後、フリーライターとして活躍。55年に世界文化社に入社し、雑誌や単行本を手がけ、63年、編集長として男性誌「Begin(ビギン)」を立ち上げる。平成12年に主婦と生活社に移籍し、13年に男性ファッション誌「LEON」を創刊。「ちょい不良オヤジ」の社会的ブームを作り出す。退社後、ウェブメディアの編集長などを経験。今年6月、新雑誌「GG」を世に出す。

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