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【花形出番です】父の遺志を未来へつなげる 日本舞踊市川流・市川ぼたん(38)(4)

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【花形出番です】
父の遺志を未来へつなげる 日本舞踊市川流・市川ぼたん(38)(4)

日本舞踊市川流・市川ぼたんさん(春名中撮影) 日本舞踊市川流・市川ぼたんさん(春名中撮影)

 父(十二代目市川團十郎)が愛した石川県小松市へ毎月通い、踊りを教えています。父は亡くなるまで30年近く、毎年小松に通い、子供たちに「勧進帳」の指導を続けてきました。市川家の芸である歌舞伎十八番の一つ「勧進帳」の舞台は、小松にあった「安宅(あたか)の関」。町としても「歌舞伎の町」を掲げ、約250年続く曳山子供歌舞伎があり、市内の中学校は毎年、持ち回りで「勧進帳」を上演しています。しかも三味線演奏や広報活動まで子供たちが担い、市の行事として取り組んでいる。子供が日常会話で「弁慶やりたい!」と言うのには感動しました。

 そんな父が大切にしていた小松とのご縁を、私なりに未来につなげたい。地方に残る日本らしさこそ、日本を活性化する力になるのではないか。そう思い、父の他界後も、所作や踊りのお稽古を通じ、小松のみなさんと協力し合っています。

 父には、「勧進帳」のご当地、安宅で弁慶を勤めたいという夢があった。海のそばで舞台の設置が難しい場所でしたが、昨年10月、兄(市川海老蔵)が特設会場で弁慶を演じるという形で“実現”しました。兄は小松市内の中学にも行き、子供の「勧進帳」のお稽古をみました。

 実は父が亡くなってから、何かとチョウが出てくるんです。安宅でも終演後、巨大なクロアゲハが飛んできた。「ああ、お父さん」と思いました。父の遺志を、私たちきょうだいがどうつなぐか。見守ってほしいですね。(談)=6月は和泉流狂言方、野村万之丞です。

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