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【追悼】日下武史さん 「四季」ひと筋の芝居人生 劇評家・石井啓夫

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【追悼】
日下武史さん 「四季」ひと筋の芝居人生 劇評家・石井啓夫

舞台「鹿鳴館」に影山悠敏伯爵役で出演する日下武史さん=平成21年(上原タカシ撮影) 舞台「鹿鳴館」に影山悠敏伯爵役で出演する日下武史さん=平成21年(上原タカシ撮影)

 俳優・日下さんを私が強烈に意識したのは、昭和44年の劇団外公演「オセロー」で二代目尾上松緑(おのえしょうろく)のオセロー将軍に奸計(かんけい)を仕掛けるイアーゴー役だった。そのあまりの陰険邪悪な役作りにわたしは役を超えて、演じている日下さんを憎み、嫌った。その後、新聞社の演劇記者になってからも、自分勝手なしこりもあってか取材機会は訪れず、わたしが日下さんと面識を持ったのは、四季初めての三島由紀夫作品「鹿鳴館」のとき。その頃は日下さんへの嫌悪感は霧消し、数々の四季作品での名演に敬愛の念さえ抱いていた。わたしの拙い日下=イアーゴー説に日下さんはにこやかに応じた。「俳優は芝居を楽しむのが究極の目標。だから、あなたが僕のイアーゴーを見て嫌らしく見えたとしたら、日下自身が非常にその役を面白がってやっていたということでしょうね」

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