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【鑑賞眼】KAAT神奈川芸術劇場 「春のめざめ」

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【鑑賞眼】
KAAT神奈川芸術劇場 「春のめざめ」

教師たち大人は上から生徒たちを監視する(二石友希撮影) 教師たち大人は上から生徒たちを監視する(二石友希撮影)

 ■若手起用で熱気こもる舞台

 独劇作家、ヴェデキントの「春のめざめ」は、思春期の少年少女の性の目覚め、大人たちの抑圧や社会との葛藤がテーマ。120年以上前に書かれ、当時上演禁止となった近代戯曲をKAAT神奈川芸術劇場芸術監督の白井晃が演出、同時代的な問題意識で実際に起きている事態のように描き出した。酒寄進一の新訳。

 ドイツのギムナジウムで学ぶ優等生のメルヒオール(志尊淳)と友人で劣等生のモーリッツ(栗原類)、幼馴染のヴェントラ(大野いと)。モーリッツは、厳しい競争に耐えかね米国へ逃げようとするが果たせず、自殺する。メルヒオールは衝動的にヴェントラと関係し妊娠させてしまう。モーリッツを道徳的に退廃させたとメルヒオールは指弾され、ヴェントラとの一件も発覚。メルヒオールは感化院に入れられる。

 性が開放的な現代から見れば、古い性道徳に感じられるが、性の問題も含め大人が青少年を管理下に置こうとする構造は変わらない。それを視覚化するのが、KAAT大スタジオ内に作り出した檻(おり)のような圧迫感ある空間美術(木津潤平)だ。教師や両親らが看守のように段上から見下ろしている。

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