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【映画深層】今年は国産アニメ100年の節目の年! 忘れられた巨人、人形アニメーションの祖、持永只仁を知っているか

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【映画深層】
今年は国産アニメ100年の節目の年! 忘れられた巨人、人形アニメーションの祖、持永只仁を知っているか

上海美術電影で「ミャオと鳴くのは誰?」(1979年)制作の指導をする持永只仁(右)(東京国立近代美術館フィルムセンター提供) 上海美術電影で「ミャオと鳴くのは誰?」(1979年)制作の指導をする持永只仁(右)(東京国立近代美術館フィルムセンター提供)

人間に対する優しさがにじみ出る

 持永は晩年も中国で若いアニメーターに指導するなど日中交流に力を注ぎ、99年に80歳でこの世を去る。

 今回の展覧会は、持永の製作日誌や写真パネル、台本など約350点で構成されているが、中でも注目すべきものは、実際に人形アニメーションで使用された人形たちだ。120点ほどあり、持永の遺族が大切に保管していたものを、現役の人形アニメーターが生き生きとした動きをつけて設置した。

 「人形はすべて整理してスタジオに置いている。湿気がダメなので、1つ1つ包んで、しょうのうを入れて保存しています」と話すのは、持永の長女の持永伯子(のりこ)さん(74)だ。戦時中に持永が満州に渡ったとき、3歳だった伯子さんは、父親が日本人、中国人だけでなく、朝鮮人やロシア人も含めて誰に対しても分け隔てなく平等に接していた姿が印象に残っている。

 「人間に対する優しさが作品ににじみ出ていると思う。それに人形アニメーションはイライラしていたらダメ。忍耐力がないとやれません。家族に対しても全く干渉せず、自主性を重んじた人でしたね。日本と中国、さらに韓国にも弟子がいますし、こんなに文化的に国際貢献をした作家がいたということを、この展覧会を通じて知ってほしいと思っています」(文化部 藤井克郎)

 展覧会は東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区京橋3-7-6)で9月10日までの開催(午前11時~午後6時半、毎週月曜日は休み)。

 5月27日には伯子さんと映画・漫画評論家の小野耕世(おの・こうせい)(77)さんのトークが開かれるなど、会期中さまざまなイベントが予定されている。また7月22~23日には、同センター小ホールで持永監督が手がけた人形アニメーション作品の上映も行われる予定。

 

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