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【シネマプレビュー】「オリーブの樹は呼んでいる」

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【シネマプレビュー】
「オリーブの樹は呼んでいる」

「オリーブの樹は呼んでいる」 「オリーブの樹は呼んでいる」

 スペイン・バレンシア地方。20歳のアルマ(アンナ・カスティーリョ)は、オリーブ農園を営む祖父を愛していた。しかし、経営難から、父は祖父が大事にしてきた樹齢2千年のオリーブの木を売り払う。意気消沈した祖父を見て、彼女は今はドイツにある木を取り戻そうと決意するが…。

 「ザ・ウォーター・ウォー」のイシアル・ボジャイン監督作品。脚本は、ボジャイン監督の夫で、ケン・ローチ監督作品を多く手がけるポール・ラバーティが担当している。

 嘘八百で、叔父と同僚のラファを振り回すなど、感情のおもむくままに行動するアルマをカスティーリョが好演し、先の読めない魅力あるロードムービーとなっている。また、バレンシアの大地から引き抜かれ、環境に配慮するドイツ企業のPRのため、無機質なロビーに展示されるという、何とも皮肉な運命をたどるオリーブの大木の存在感がいい。家族や歴史などさまざまなものの象徴として、観客に力強く訴えかけて来る。滋味あふれる感動作。20日からシネスイッチ銀座などで全国順次公開。1時間39分。(耕)

 ★★★☆(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり ☆は半分)

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