産経ニュース

【鑑賞眼】青年座「わが兄の弟」 内に熱情、人生への悲しみ宿す

エンタメ エンタメ

記事詳細

更新

【鑑賞眼】
青年座「わが兄の弟」 内に熱情、人生への悲しみ宿す

モスクワのホテルでアントン(横堀悦夫、左)とニーナ(安藤瞳)は一夜を過ごす(坂本正郁撮影) モスクワのホテルでアントン(横堀悦夫、左)とニーナ(安藤瞳)は一夜を過ごす(坂本正郁撮影)

 30歳になったアントンは突如、極東サハリンに流刑囚の住民調査に出かけた。旅の真の目的が何か説は定まってないが、今作ではマキノ流の演劇的謎解きを提示。医師・作家として冷徹な精神の持ち主とみられたチェーホフも、内にはたぎる熱情と人生への悲しみを宿していたというわけだ。

 青年座の家族的雰囲気がチェーホフ一家と重なり、親密な舞台。頑迷固陋(ころう)の父の山本龍二が孫を抱いてメロメロになる変化もおかしい。芝居のテンポが上がるとより面白くなるだろう。16日まで、東京・新宿の紀伊国屋ホール。(演劇評論家 河野孝)

「エンタメ」のランキング