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【花形出番です】心身とも役になりきる 歌舞伎俳優・坂東亀寿さん(38)(4)

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【花形出番です】
心身とも役になりきる 歌舞伎俳優・坂東亀寿さん(38)(4)

 歌舞伎座(東京都中央区)の「團菊祭五月大歌舞伎」は、わが家の襲名披露であると同時に、(尾上(おのえ))梅幸(ばいこう)のおじさまと祖父(人間国宝の十七代目市村羽左衛門)の追善公演でもあります。

 祖父は、私生活では全く怒らなかったのですが、芝居の話になると自分にも、他人にも厳しかった。20歳頃に共演した際、舞台で祖父に小道具の刀を渡す場面がありました。毎日、幕が下りた瞬間、「お前は分かってない!!」と怒鳴られ続けた。自分自身でも何が悪いのか分からず、古いお弟子さんに必死に聞き回り、刀の運び方や渡すタイミングを考え、工夫しました。すると1週間後、パッタリ怒られなくなりました。

 祖父は「役の性根をとらえなさい」と口酸っぱく言っていた。心身とも役になっていなければ、舞台に立ったとき不安定になる。そこが若い私には、できなかったのだと今、思います。

 「師匠」ですから、普段から敬語。兄(坂東亀三郎)と一緒に、祖父が父(坂東彦三郎)に稽古をつけるのを、よく見学しました。緊張感漂う稽古場でしたが、動きや台詞(せりふ)など時間をかけ、丁寧に教えていた。それは父を通じ、私たち兄弟にも受け継がれています。

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