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起死回生?大晦日に雑誌、本を一斉発売 出版不況打開へタッグ

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起死回生?大晦日に雑誌、本を一斉発売 出版不況打開へタッグ

 長引く不況に苦しむ出版業界が、正月商戦で初の試みに打って出る。流通が止まる大みそかに雑誌や本の新刊約170点を一斉発売するもので、帰省客らの需要を掘り起こす狙いがある。

 多くの出版社や配送業者が休む年末年始は新刊が供給されず、書店の活性化は懸案だった。このため日本雑誌協会が、出版物の流通を手掛ける取次会社からなる日本出版取次協会と連携し、出版社に呼びかけた。

 一斉発売されるのは雑誌やコミックスが約130点。書籍の約40点と合わせ約870万部規模になる。雑誌では「週刊新潮」(新潮社)などの週刊誌がこの企画のために仕立てたムックや増刊を発売。小学館は例年1月半ば刊の「入学準備 小学一年生直前号」を前倒しで出す。文芸春秋はベストセラー作家、百田尚樹さんの小説「幻庵」も刊行する。日本雑誌協会の高橋憲治事務局長は「史上初の試みだが、子供がお年玉をもらい、大人も読書時間を取りやすい正月休みには潜在需要がある」と話す。

 背景にはスマートフォンなどの普及で加速する雑誌離れがある。出版科学研究所が今年1~11月の実績をもとに算出した紙の出版物の年間推定販売金額は前年比約4%減の1兆4500億円台。文芸書が健闘した書籍は同約1%減の7300億円台に踏みとどまるが、雑誌は同約6・5%減の7200億円台で、ピーク(平成9年)の約46%にまで市場が縮小する見通しだ。41年ぶりに書籍市場を下回り、1970年代半ばから続く「雑高書低」時代の終焉(しゅうえん)が確実となった。こうした中、昨年の元日に文芸春秋が「週刊文春」の特別版をセブン-イレブン限定で発売。今年は「週刊現代」(講談社)なども追随し好評だった。出版ニュース社の清田義昭代表は「厳しさを増す雑誌の増売策の一環。書店店頭の活性化につながれば」と話す。

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