産経ニュース

【ステージ 芸】回顧2016 希望感じる30代の劇作家ら

エンタメ エンタメ

記事詳細

更新

【ステージ 芸】
回顧2016 希望感じる30代の劇作家ら

「クレシダ」の一場面。平幹二朗(右)と浅利陽介 「クレシダ」の一場面。平幹二朗(右)と浅利陽介

 没後400年の節目、シェークスピア劇上演が目立った一年。シェークスピア劇で質の高い舞台を見せ続けた演出家の蜷川幸雄、俳優の平幹二朗の訃報が続いた。

 ミュージカルでもないのに俳優にマイクをつけた舞台があった一方、平は最後の舞台「クレシダ」で、シェークスピア劇におけるせりふ術の範を見せた。常に海外や後進の目を意識し、妥協を許さなかった蜷川ともども舞台人として志の高かった2人の「不在」の大きさを憂える。

 【現代劇】

 そんな中、希望を感じるのは30代の劇作家ら。劇団チョコレートケーキの古川健作品は、大正天皇を軸に3代にわたる相克のフィクションとして構成した「治天ノ君」(再演)に続き、東京電力福島第1原発に故郷を奪われた人の思いを短歌に託した新作「挽歌」も秀作だった。

 「地を渡る舟」で民俗学者、宮本常一の足跡を劇化した長田育恵は今年、「SOETSU」を劇団民芸に書き下ろした。朝鮮白磁に魅せられ、後に民芸運動を提唱した柳宗悦を描くが、周囲に同調しない主人公の強さに胸打たれた。

 長田同様、女性視線が生きた戯曲としては、瀬戸山美咲の新作「埒もなく汚れなく」も印象深い。2009年に急逝した劇作家、大竹野正典の評伝劇だが、孤高の芸術家と生活を預かる妻との衝突は現代の芸道物だ。

続きを読む

このニュースの写真

  • 回顧2016 希望感じる30代の劇作家ら

「エンタメ」のランキング