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【クリップボード】細野辰興監督「貌斬り KAOKIRI」 芸能の非近代性をえぐる

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細野辰興監督「貌斬り KAOKIRI」 芸能の非近代性をえぐる

舞台上と舞台裏が交錯する 舞台上と舞台裏が交錯する

 映画と演劇の融合は珍しいことではないが、このような作品はこれまでになかったのではないか。3日から東京・新宿のK’S cinemaで公開される「貌斬(かおき)り KAOKIRI~戯曲『スタニスラフスキー探偵団』より~」は、往年の映画スター、長谷川一夫が暴漢に襲われた事件をモチーフに、劇中劇の形で幾重にも積み重なった構造が刺激的な意欲作だ。

 手掛けたのは、「シャブ極道」「竜二 Forever」などの細野辰興監督(64)。6年前に自ら作・演出を務めた舞台「スタニスラフスキー探偵団」を再構成し、舞台劇を演じる俳優の舞台裏まで見せるという方法で、長谷川一夫貌斬り事件の芸能史的な意味を掘り下げた。

 「あの事件は昭和のダークサイドというか、芸能界の非近代性を代表する出来事じゃないかと思う。ただ、映画にするにはあまりにも難しい」と細野監督。

 舞台劇をそのまま映画にするつもりはなかったが、誰でもタレントになれるという現代の状況と対立させてみたら芸能の非近代性が浮き彫りになるのではないかと考えた。そこで取った手法が、まず8回分の舞台を観客を入れて公演し、そのすべてを撮影。その後、舞台裏の場面を撮って、約4カ月かけて編集した。「役者は大変だったと思う」と語る細野監督は「ある程度の条件の中で、やりたいことはやった。めったに見られないものだと思うので、話のタネに見てもらえれば」とアピールしていた。(藤井克郎)

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