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吉右衞門“鬼平”有終の美 「行動力と人情味」は理想的な上司像

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吉右衞門“鬼平”有終の美 「行動力と人情味」は理想的な上司像

義理の息子、尾上菊之助と映像初共演で激しい殺陣シーンを演じた中村吉右衞門(手前) 義理の息子、尾上菊之助と映像初共演で激しい殺陣シーンを演じた中村吉右衞門(手前)

「鬼平さんのように生きられたらいいですね。あこがれです」

 歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衞門(72)が感慨無量に話し始める。

 「自分の信念で生き、悪を倒し、悪の中に善を見いだし、子供の頃からの苦労がそうさせたのでしょうが、高みに立ってながめるのでもなく、すばらしい人間ですね」

 人気シリーズ「鬼平犯科帳」が通算150本目でファイナルを迎えるにあたり、吉右衞門は改めて、江戸時代後期に盗賊たちから「鬼の平蔵」と恐れられた火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官、長谷川平蔵の魅力を語る。

 ドラマは1989年7月、吉右衞門が45歳のときにスタートした。

「私が40歳のときに(原作者の)池波正太郎先生が四代目の平蔵役として白羽の矢を立ててくださいましたが、世の中のすべてを知り尽くしたような貫禄のある父(初代・松本白鸚さん)の印象が強く、まだまだ歌舞伎の世界では若造であった私はとてもじゃないですけど父の作り上げたイメージを払拭できないと思いましてお断りをしてしまいました」

 そして45歳で再び話をもらい、小説の中の鬼平も火付盗賊改方になったのが45歳ということで「これを頼りにやってみよう」と思ったという。

 2001年5月まで連続ドラマとして全137本、その後単発のスペシャルドラマとして12本、計149本を放送してきた。

「江戸家猫八師匠や高橋悦史さん、真田健一郎さん、蟹江敬三さんら鬼籍に入った大切なキャストやスタッフもおり、改めて月日の流れを感じます」

 吉右衞門はしみじみと語り、「松竹京都撮影所で最後のカットのあと、殺陣師の方がボロボロと、大の男が大泣きしてくださった。ありがたかった」と感謝の言葉を口にした。

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