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【映画深層】映画と演劇の醍醐味がぎっしり詰まった『貌斬り』の細野辰興監督

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【映画深層】
映画と演劇の醍醐味がぎっしり詰まった『貌斬り』の細野辰興監督

映画「貌斬り KAOKIRI」の1場面 (C)2015 Tatsuoki Hosono/Keiko Kusakabe/Tadahito Sugiyama/Office Keel 映画「貌斬り KAOKIRI」の1場面 (C)2015 Tatsuoki Hosono/Keiko Kusakabe/Tadahito Sugiyama/Office Keel

 例えば持病持ちの俳優、尾形蓮司を演じる草野康太は、舞台では映画監督の風間重兵衛に扮し、舞台中のロールプレイでは暴漢に襲われるスターになりきる。代役女優、南千草役の山田キヌヲも、舞台では千草としてプロデューサーの蓋河久子を演じ、舞台中のロールプレイではカミソリを手にするといった具合に、ほとんどの出演者が三重にも四重にも役を作らなくてはならなかった。

 「役者さんは大変だったと思います。面白かったのは、舞台で演じたキャラクターを引きずる人ときっぱりと分ける人とが現れたこと。主役2人で言うと、草野康太は舞台で演じた風間重兵衛というキャラクターを映画の尾形蓮司に持っていったように思うが、キヌヲちゃんは逆に全く分けていた。あくまでも女優の役がプロデューサーを演じていると考えて芝居を作ろうとしていた。予定調和を壊す瞬間って、演出家なら誰でも見たいものなんです。そこはかなり堪能できるという気がしています」

黒子が収めるライブ映像

 さらにユニークなのは、劇中劇はすべて本物の舞台をそのまま撮っているということだ。つまり「スタニスラフスキー探偵団」を今回のキャストで再演し、その全8公演にカメラが入って映像に収めた。

 「ライブ感覚で行くしかないと思ったが、シネマ歌舞伎のようなことだけはしたくなかった。つまりカメラはいつも客席にいて、アップは客席から望遠レンズで狙うという撮り方で、それだとあくまでも客観なんですよね。やっぱり主観という、監督が見たいものを撮っていくというところにカメラが行かないと映画にならない。クレーンで撮るわけにもいかないし、悩んだ末に、そうだ、黒子に持たせるべきだ、と気がついた。8公演分、全てで黒子にカメラを持たせたんですが、毎日毎日、役者の芝居が違うんです。編集に4カ月以上、かかりました。これはこれでなかなか面白い作業でしたけれどね」

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