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【話の肖像画】写真家・篠山紀信(2)「死といえば、僕は常々、美術館を『作品の死体置き場』と呼んできた」

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【話の肖像画】
写真家・篠山紀信(2)「死といえば、僕は常々、美術館を『作品の死体置き場』と呼んできた」

「快楽の館」2016年 宮島達男の常設展示作品と(C)Kishin Shinoyama 2016 「快楽の館」2016年 宮島達男の常設展示作品と(C)Kishin Shinoyama 2016

 〈原美術館で開催中の個展「快楽の館」が話題だ。館内が撮り下ろしのヌードで占拠されている〉

 原美術館は東京・北品川の閑静な住宅街にあって、昭和13年に建てられた私邸だった。西洋モダニズムのデザインを取り入れ、終戦直後には進駐軍に接収されたりするなど、数奇な歴史を持つ名建築です。

 展覧会を開くにあたり、普段は入れない裏庭や屋上など、館内をくまなく案内してもらいました。白い箱が連なる普通の美術館とは違い、かつて人が住んでいただけに空間が実に色っぽい。どうせならここで作品を撮れないかなぁと思っていたら、原(俊夫)館長が「いいですよ」と快諾してくれた。どうせならヌードがいいなと言うと、「どうぞどうぞ」と。私立の美術館ならではですよね。自由を与えてくださった。

 タイトルが「快楽の館」だからといって、相当エロい写真があるんじゃないかと期待する人は勘違いです。僕が感じたのは「場」の色気。心地良くていつまでもいたくなる、そんな感覚です。なぜヌードかというと、一糸まとわぬ肉体をこの場に置いて構成した方が、僕の考えや、感じたエロチシズムを直接的に表現できると思ったから。服やヘアメークで作り込むと、時代や流行などに影響されて意図がぼやけてしまう。

 作品を撮るとなると、美術館全体をガランと空けなきゃいけない。展示替えの期間も作品を搬出搬入したり、傷んだ壁を修復したりと美術館ってなかなか忙しいんだけど、5月中旬の10日間、僕のために空けてくれた。

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