産経ニュース

【話の肖像画】俳優・佐藤浩市(5)若い人たちに伝えたい「粘るときは粘っていいんだぞ」

エンタメ エンタメ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
俳優・佐藤浩市(5)若い人たちに伝えたい「粘るときは粘っていいんだぞ」

公開中の映画「64-ロクヨン-前編」で、県警と記者クラブの間で苦悶する広報官、三上(右)を演じた 公開中の映画「64-ロクヨン-前編」で、県警と記者クラブの間で苦悶する広報官、三上(右)を演じた

 〈「THE 有頂天ホテル」(平成18年)や「ザ・マジックアワー」(20年)などの三谷幸喜監督作品に出演後、コメディーの分野にも活躍の場を広げた〉

 三谷監督とは、芹沢鴨を演じたNHKの大河ドラマ「新選組!」(16年)からご一緒しました。父の三国(連太郎)が映画「新選組」で同じ役を演じていて、一度挑戦してみたかった。後で、監督も三国の映画を見て僕に声をかけたことを知りました。

 三谷監督は、「GONIN」(7年)など僕の強面(こわもて)の役ばかり見ていて、僕のことを危険な男だと思っていたらしく、最初の頃はいつも距離を取ってましたね。「THE 有頂天ホテル」で追い詰められた政治家を演じましたが、これも三谷監督の念頭には「金環蝕」で政治家を演じた三国のことがあったと聞きました。

 ギャング相手に伝説の殺し屋を演じる売れない役者にふんしたコメディー映画「ザ・マジックアワー」は、忘れがたい映画です。コメディー調の役は、それまでもやっていましたが、ここまで大がかりなコメディーは初めて。僕がこけたら、映画自体がこけてしまいかねない。プレッシャーを感じましたが、同時にハードルを用意してくれた三谷監督に感謝もしました。

 撮影では、事前の準備をきっちりやりました。(ものまねネタにされるなど)話題になった僕がナイフをなめ回すシーンは、三谷監督が「次は?」「次は?」って、くすくす笑いながら違う演技を何度も要求する。こっちは数十通りも用意していたから、いくらでもやってみせました。あの作品で、自分のイメージを大きく変えられた気がします。

「エンタメ」のランキング