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【鑑賞眼】横浜バレエフェスティバル2015 遠藤康行の手腕が冴える13作品

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【鑑賞眼】
横浜バレエフェスティバル2015 遠藤康行の手腕が冴える13作品

「半獣」を踊る小池ミモザ(左)と遠藤康行(松山悦子撮影)

 日本人ダンサーの世界的活躍は頻繁に報じられるが、本公演は彼らの優れた舞踊技術を示すにとどまらず、日本人の身体と感性でバレエに対峙(たいじ)して磨かれた、深い芸術性を堪能させた。

 オーディション選抜の小学生から有名コンクール受賞の10代、国内外の一流バレエ団で踊る20~40代のプロが、古典から新作まで13作品を披露。同公演芸術監督の遠藤康行(仏マルセイユ・バレエ団ソリスト兼振付家)の手腕が冴(さ)えた。

 現代作品では、遠藤が振り付け、小池ミモザ(モンテカルロ・バレエ団)と踊った「半獣」が刺激的だ。ベルトで腰を繋(つな)いで踊った後、巨大な布幕を挟んで触れ合う流れは官能的かつ厳かで、ニジンスキー「牧神の午後」の激しくも叶(かな)わぬ欲望のモチーフを見事に変奏する。

 虚実混合の舞台人の人生を言葉と身体でユーモラスに暴く青木尚哉、児玉北斗、柳本雅寛の「excuse us」、オーロラ姫を現代の家出少女に変えたマッツ・エック版「眠りの森の美女」を踊り、規範を逸脱した動きで現代人の心の葛藤(かっとう)を描いた湯浅永麻も印象深い。

 古典では、高田茜(英ロイヤル・バレエ団)の「ジゼル」、小野絢子、八幡顕光(共に新国立劇場バレエ団)、加藤三希央(モンテカルロ・バレエ団)の「海賊」などの定番に加え、海外進出の先駆者、深川秀夫の作品「ソワレ・ド・バレエ」を米沢唯と奥村康祐(共に新国立劇場バレエ団)が踊り、跳躍や回転の難技を音楽に繊細に溶け込ませて、観客を美しい夢想に誘った。19日、神奈川県民ホール。(舞踊評論家 岡見さえ)

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