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【話の肖像画】ピアニスト・小山実稚恵(4)すべてはワクワク、ドキドキから

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【話の肖像画】
ピアニスト・小山実稚恵(4)すべてはワクワク、ドキドキから

レコーディング中にロシア人指揮者、ウラディーミル・フェドセーエフさんと(2002年) (c)Alexander Maslenitsin

 〈これまで、海外4オーケストラとの共演を含む28点のCDを発表。平成17年の20周年では、2夜で4曲の協奏曲を奏でて文化庁芸術祭大賞を得た〉

 コンサートは同じ場所に居合わせ、そこにしかない空気感、その時にしか起こらない力によって音楽が生まれていきます。聴き手が自分の好きな時間と場所で耳を傾けるCDでは、コンサートでの関係性とは別の世界で結ばれています。録音ではどう作品と向き合い、どんな姿で音楽を届けるべきかを探してきました。4月に発表した最新盤では、今の私が抱いている心の在り方をそのまま収めることに努めました。

 チャイコフスキーコンクールで初めてロシアの指揮者、オーケストラと共演したとき、「美しい旋律や響きの移ろいの向こうに、私たちの胸にある深いものが潜んでいる」と告げられ、それが出発点ともなっています。彼らの思いには、演奏を重ね、伝統を受け継ぎながら、降り積もるものがあり、それは内外を問わず優れた音楽家が胸にしっかりと抱いているものです。

 指揮者、オーケストラと一体となる協奏曲は、音楽に寄せるいくつもの思いを重ねて一つの世界を生み出すもので、歩んできた道と行く先を見つめる記念の演奏会にふさわしいと考えました。25周年のときも今年の30周年でも、ずっと大切にしている大好きな作曲家が人生の道標を刻んだすばらしい協奏曲を集めました。

 〈自らを世に送り出したチャイコフスキー、ショパンのほか、ロン=ティボー、ミュンヘンなど世界主要コンクールで審査員を務める〉

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