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【話の肖像画】ピアニスト・小山実稚恵(2)今も大切な師の教え

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【話の肖像画】
ピアニスト・小山実稚恵(2)今も大切な師の教え

小学校4年生の時、吉田見知子ピアノ教室の発表会で演奏 小学校4年生の時、吉田見知子ピアノ教室の発表会で演奏

 6歳になるとき、誕生日のお祝いにアップライトのピアノを買ってもらいました。ぴかぴかと輝く楽器が運ばれてきて、本当にうれしかったのを昨日のことのように思い出します。

 広場などに古タイヤがあれば夢中になって跳んだりけったり。女の子らしい遊びに私はほとんど興味がありませんでした。母がせっかく手作りしてくれた着せ替え人形の服も一度くらい着せてみるかどうか。短い休み時間でも外に飛び出して鉄棒や雲梯(うんてい)で遊んでいて、まめさえできないくらい手のひらが硬くなっていました。

 少しもおとなしくしていられない私がいちばん好きだったのが、おもちゃのピアノ。黒鍵はなく、白鍵が白と黒に塗り分けられているだけでした。それでも物心がつく頃には、時間を忘れて鍵盤をたたいて聞き覚えの童謡の旋律をなぞり、色水遊びでもするように音が交じり合い、響きが重なるのを楽しんでいました。

 毎日のように「本物のピアノが欲しい」と言い続けていましたが、なかなかかなわない。何事にも飽きっぽい私を両親はじっと見守り、本当にピアノが好きなのか、ずっと続ける覚悟ができているのかを確かめていたようです。

 〈盛岡市在住の吉田見知子先生に6歳から東京芸術大学付属高校入学まで師事し、早くからコンクールで入賞を重ねた。豊かな人間性を育む教えを今も大切にしている〉

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