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【話の肖像画】ピアニスト・小山実稚恵(1)聴衆とともにストーリーをつづる

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【話の肖像画】
ピアニスト・小山実稚恵(1)聴衆とともにストーリーをつづる

ピアニスト・小山実稚恵(野村成次撮影) ピアニスト・小山実稚恵(野村成次撮影)

 〈情趣あふれる響きを紡いで、楽譜に込められた作曲家の精細な思いを鮮やかに映し出す。チャイコフスキーとショパンの2大国際コンクールに入賞した唯一の日本人。内外の第一線で活動を続け、デビュー30周年を迎えた〉

 ピアノが好き。ただこの思いを胸に活動を続けてきました。幼い頃に抱いたこの気持ちは、年を重ねるにつれ、さらに濃いものになっています。ピアノを奏でることは、どこまで探究を続けても、到達点というものにたどり着くことはありません。楽譜と向き合うと、さまざまな思いが次々とわき出てきて、その世界に身を委ねることに大きな喜びを感じます。

 それと同時に、あふれてくる感情や情熱、胸をいっぱいにする詩的な感覚、潜められた思いなどをいかに表現するかについて、いくつもの課題が突きつけられ、私の持っているすべは、まだまだ十分ではないと感じさせられてしまいます。それでも歩みを続けることで何かが見えてくるのではないかと探し求めているうちに、30年が過ぎていました。

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