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【話の肖像画】エール大卒の落語家・立川志の春(38)(4)

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【話の肖像画】
エール大卒の落語家・立川志の春(38)(4)

2012年、シンガポールで行われた国際ストーリーテリング・フェスティバルで。右から3人目が志の春さん(志の春事務局提供)

 ■温かい笑いは海外でも受ける

 〈英語落語家としても、活躍の幅を広げている〉

 3年前の秋にシンガポールで行われた「国際ストーリーテリング・フェスティバル」に参加したときでした。そこでいろんな国の芸事の語り部たちと語り合っているとき、「落語ってすごいよね。日本の宝だ」と言われたんです。それを聞いて、英語で落語が伝わるのならばどんどんやっていこうという気になりました。

 翌年からは半年ごとにシンガポールで単独公演をしています。師匠の付き人だったときから私と同年代で日本文化を発信している現地在住のベンチャー企業の人と付き合いがあり、その人から誘われたということもあります。

 英語に訳すときに気を付けているのは、できるだけオリジナルの物語を素直に訳して伝えるようにすることです。アレンジをしなくても、それで外国の方たちは思った以上にぐっとこちらに入ってきてくれるんです。

 シンガポールで「動物園」という演目を披露したときのことです。職をなくした男が虎の皮をかぶり、おりの中から園長さんに「酒を飲んでもいいですか」と聞くという物語です。

 そこでちょっとお客さんへのサービスのつもりで、地元で飲まれている「タイガービール」をネタの途中で挟んだんです。「酒は飲んじゃダメだよ」と園長さんが言うと、「でも、虎ってビールが好きですよね。だって、タイガービールってあるじゃないですか」と。そうすると、「なぜ日本の話なのに、シンガポールのタイガービールがせりふに出てくるの?」と違和感を持たれて、しらけてしまったんです。

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