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【話の肖像画】エール大卒の落語家・立川志の春(2)高座名は一生変えない

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【話の肖像画】
エール大卒の落語家・立川志の春(2)高座名は一生変えない

高座で演じる志の春さん(志の春事務局提供)

 〈平成14年10月、立川志の輔師匠の3番弟子として入門したが、そこでの修業は苦労の連続だった〉

 入門してまずは師匠の身の回りのお世話をする「見習い」として四六時中、一緒にいる生活が始まりました。食べるのがやっとで、家賃3万円の安いアパートで暮らしていました。

 見習いの仕事は、ひたすら家の掃除などの雑用です。師匠の運転手を務めたときは車間距離一つでも注意されました。ただ、師匠に気を使うのが仕事だったはずなのに思うようにできない。「何をぼんやりしているんだ。おれを快適にしろ」ときつく言い聞かされ、しくじることも多々ありました。どうすれば師匠が心地よくなれるのか。常に師匠の気持ちを考え、状況判断をするようにしました。東京の地図を買い、毎日にらめっこをして、すべての裏道を暗記したほどです。

 そうして3カ月もすると落語家としての名前がもらえて、前座として高座に出られるようになるはずだったのですが、なかなか名前がもらえず、入門から1年3カ月かかりました。なぜか。それは私が気が利かなかったのが原因だと思います。小島一哲という自分の存在を完全になくすことがなかなかできなかったのです。

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