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【米中貿易戦争】中国「世界の工場」転落も 国際分業体制の危機

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【米中貿易戦争】
中国「世界の工場」転落も 国際分業体制の危機

中国の新興電気自動車ブランド、拝騰(バイトン)の乗用車(共同) 中国の新興電気自動車ブランド、拝騰(バイトン)の乗用車(共同)

 米中両国が互いに追加関税を掛け合う「貿易戦争」に発展したことで、日本、韓国などから中国に部品を送ってハイテク製品を組み立て、米国など世界の最終消費地へ輸出する「国際分業体制」は危機に陥りそうだ。人件費の安い東南アジアなどへ生産拠点の流出が加速し、中国が「世界の工場」の地位から転落するシナリオが現実味を帯びる。

 米国が6日発動した追加関税の対象は自動車や産業用ロボット、半導体など818品目。トランプ米大統領は対象拡大を示唆しており、スマートフォンなどが新たに含まれる可能性がある。

 ハイテク製品の生産、輸出で国際的な役割分担は2008年のリーマン・ショック以降、進んだ。中国は安い人件費で大量の労働力を動員でき、スマートフォンの世界生産の8割、薄型テレビの5割を担っているとの試算もある。

 半導体など電子部品の日本から中国への輸出も多く、財務省の貿易統計によると、平成29年度の輸出額は1兆613億円と中国向け輸出全体(15兆1873億円)の7・0%を占め、品目別のトップだった。

 ただ、中国の対米輸出品に追加関税が課されたことで、中国生産のうまみは小さくなってくる。

 第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「中国国内の人件費高騰で始まっていた生産拠点のベトナムなどへの移転がさらに進む」と指摘。6%台の成長率を誇る中国経済にブレーキがかかる恐れもある。(山口暢彦)

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