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生き残り図る3メガ銀、窓口店舗を半減、キャッシュレス化…低金利で収益厳しく 

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生き残り図る3メガ銀、窓口店舗を半減、キャッシュレス化…低金利で収益厳しく 

三菱UFJ、みずほ、三井住友銀行3行の看板(浅野直哉撮影) 三菱UFJ、みずほ、三井住友銀行3行の看板(浅野直哉撮影)

 3メガ銀行の構造改革が具体化してきた。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が窓口で行員が接客する店舗の半減を決めるなど、各行は高コスト体質の見直し案を固めつつ、金融とITを融合したフィンテックの活用やキャッシュレス化の推進に動く。低金利で収益環境が厳しさを増す中、経営合理化や収益源の多様化など生き残りへの改革は待ったなしだ。

 「顧客ニーズの多様化や構造変化を的確に捉え、最適な店舗網を構築していく」。三菱UFJFGの平野信行社長は15日の決算会見で、銀行の顔である店舗の改革を表明した。

 三菱UFJFGは全国に515ある店舗を今後6年間で約2割削減。従来型の窓口店舗を半減させる一方、窓口業務のデジタル化で少人数運営が可能なセルフ型店や、信託銀行や証券会社との共同店舗を増やす。またインターネットバンキングの利用率は現行の2割から6割に高める。

 ネットバンクなどの台頭で3メガの来店者数はこの10年で3~4割減少。超低金利や人口減という構造問題にも直面し、大量の人員で店舗を全国展開するメガバンクのビジネスモデルは限界に近い。三井住友FGやみずほFGも地域ごとに業務を絞った小型店やデジタル技術を導入した新店舗への刷新を進める。

 また、日本は海外に比べ決済に占める現金比率が高く、1兆円超とされる現金管理コストが経営の足かせとなっている。キャッシュレス化推進などの改革も喫緊の課題だ。みずほFGの坂井辰史社長は15日の会見で「デジタル技術の活用による構造改革を通じ、稼ぐ力を高める」と強調した。 こうしたなか3メガの間では現金自動預払機(ATM)の開発や管理の共通化といったコスト削減で協調を探る動きも出てきた。合計約2万台にのぼるATMの開発・保守は頭痛の種で、「新しい時代の金融業を考えると共同でコスト削減できるものがあればやった方がいい」と三井住友FGの国部毅社長は語る。

 また3メガは無料通話アプリ大手LINE(ライン)などIT企業が安価で便利な金融サービスを提供していることにも危機感を強めている。3メガは「QRコード」とスマートフォンの読み取り機能を使った決済で連携。これまで個別に開発してきたが、規格統一へ必要な投資を行う新会社の設立などを検討する。

 さらにネットや店での支払いに使えるデジタル通貨をめぐっては、三菱UFJが独自通貨「MUFGコイン」、みずほが地銀などと組んだ「Jコイン」を手掛けるなど実用化を競う。現金からデジタルへの転換を主導できるかも3メガの浮沈を左右することになりそうだ。(万福博之)

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