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【30年春闘】
中小企業、人手不足でベア要求増加

 今年の春闘で中堅・中小企業の組合によるベースアップ(ベア)要求が増えている。組合側は人手不足を背景に強気の姿勢だが、経営側では働き方改革の余波などを理由にベアに否定的な声も根強い。

 中堅・中小の機械・金属メーカーなどが加盟する、ものづくり産業労働組合(JAM)では8日時点で、傘下1564単組のうち約40%にあたる623単組がベアを要求した。ベアを求めた単組数は前年より120も増え、平均要求額は前年より182円多い4689円。JAMは「人手不足が深刻になる中、中小企業も賃上げせざるを得ない状況だ」と強調する。

 しかしある運送会社の経営者は「賃上げとはほど遠い環境だ」と語気を強める。原因は働き方改革。これまでは長時間労働で仕事をこなしていたが、残業抑制の必要から受注を控えざるを得なくなり、売り上げが減るという負のスパイラルに陥りつつある。

 また出版・印刷業界は電子書籍の普及という逆風にさらされている。従業員20人のしまや出版(東京都足立区)は定期昇給は毎年行っているが、ベアは「この10年間で一度もない」(小早川真樹社長)という。

 春闘では「格差是正」が掲げられてきたが、業種や規模で賃上げの成否が分かれている。中小企業全体に賃金の底上げが広がるにはまだ時間がかかりそうだ。

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