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【リニア入札談合】
透ける「保身体質」、真相究明待たず“退場”

リニア中央新幹線工事の談合事件を受け、記者会見で辞任を表明した大林組の白石達社長=23日午後、東京都港区(飯田英男撮影) リニア中央新幹線工事の談合事件を受け、記者会見で辞任を表明した大林組の白石達社長=23日午後、東京都港区(飯田英男撮影)

 リニア中央新幹線建設工事をめぐる談合事件で、大林組の白石達社長が23日、退任を発表した。早期にトップの進退を明確化し、当面における経営へのダメージを最小限にとどめた格好だが、事件の真相究明が十分になされない段階での早すぎる“退場”には同社の「保身体質」も透けてみえる。

 「捜査を受けている状況も踏まえ、真相究明やコンプライアンス(法令順守)体制の再構築を行うための人事だ」。会見で白石社長は終始一貫、「引責ではなく人心一新」と強調し続けた。

 大林組は昨年12月に偽計業務妨害容疑で家宅捜索を受けた後、公正取引委員会に対し、独占禁止法の課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づき違反行為を自主申告したことが判明している。

 23日の社長退任発表も、こうした自主申告からの流れの延長線上にある企業防衛の一環といえそうだ。

 野村証券の西山賢吾シニア・ストラテジストは「一般的には不正に対して早めに対処する姿勢が市場からの評価を受けやすい」と指摘する。実際、23日の東京株式市場における大林組の株価は前日比4円安の1395円で取引を終え、悪材料の中では小幅な下げにとどまったといえる。

 課徴金減免制度で全額免除などを受けられるのは最初に自主申告した企業だけで、今回の退任を“軟着陸”と見る向きは根強い。

 大林組は脇村典夫前社長が談合事件で引責辞任しており、会見でも「2代続けての引責では」という点に質問が集中した。白石氏は「過去の談合事件の反省を踏まえ、世間をお騒がせしたことはおわびする」と釈明に追われた。

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