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【平成30年史 デフレの呪縛(3)】テレビ「バラ色の十年」が暗転 リーマンで崩壊「エリートは中国へ」

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【平成30年史 デフレの呪縛(3)】
テレビ「バラ色の十年」が暗転 リーマンで崩壊「エリートは中国へ」

ビックカメラ有楽町店のテレビ売り場。すらりと並んだ有機ELテレビが年末商戦の目玉となる=11月6日、東京都千代田区 ビックカメラ有楽町店のテレビ売り場。すらりと並んだ有機ELテレビが年末商戦の目玉となる=11月6日、東京都千代田区

 「バルミューダってばかだなって思った人」。家電ベンチャーのバルミューダが9月に都内で開いたオーブンレンジの発表会。代表の寺尾玄は詰めかけた報道陣の笑いをとった。レンジなのに調理中にはドラムがリズムを刻み、「チン」の代わりにギターの音が鳴る。「朝の殺伐とした感じが和むのでは」。こんな発想から生まれた商品だ。

 家電業界の風雲児としてメディアにも引っ張りだこの寺尾。2年前に発売したトースターは2万円超と通常の4~5倍だが、これまで30万台を売る人気ぶりだ。モノが売れない時代にヒットを飛ばせるのはなぜか。

 「モノではなく体験を売る」というのが寺尾の口癖だ。例えば、トースターは水蒸気で温度を制御する技術を使い、パン屋が焼くパンのような味を実現する。余計な機能は省きデザインはシンプルだが、「体験を想像できるように」とジブリ映画「魔女の宅急便」に出てくるかまどのイメージにこだわった。

 海外では米ロボットメーカーのアイロボットも2002年に発売したロボット掃除機「ルンバ」をヒットさせ、家電で世界を代表する企業に成長した。コードレス掃除機を普及させた英ダイソンも次々と技術革新を起こして成長し、今度は電気自動車(EV)にも挑戦する。

 共通するのは顧客視線にこだわり、性能やデザインなどのアイデアで勝負する点だ。これらが付加価値として認められているからこそ、汎用品化が進む家電市場で価格が高くても製品は売れ、特別な地位を築きつつある。こうした動きはデフレ脱却につながる日本のモノづくりの一つの選択肢になるのではないか。(敬称略)

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