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【アメリカを読む】米韓FTA「破棄」は脅しではない トランプ大統領の本気度と交渉術

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【アメリカを読む】
米韓FTA「破棄」は脅しではない トランプ大統領の本気度と交渉術

7日、ソウルでの共同記者会見で握手するトランプ米大統領(左)と韓国の文在寅大統領(ロイター) 7日、ソウルでの共同記者会見で握手するトランプ米大統領(左)と韓国の文在寅大統領(ロイター)

 米国の通商政策をめぐっては議会の権限も大きい。通商問題に関与する与党・共和党の議員には、対韓FTAが米国製品の輸出に貢献しているとして、協定破棄を支持する空気はない。ただ、発効から約5年が経過した米韓FTAを、韓国側が約束通り実施していないという不満が出ている。共和党のライカート下院議員は10月の関連委員会の公聴会で「韓国による履行状況には失望している」と述べるなど、是正を求める声がある。

 ワシントンの通商関係者では、トランプ氏がNAFTAから「離脱する可能性が50%、残留する可能性が50%」(元経済閣僚)と、政権の離脱シナリオの本気度が語られている。米韓交渉の先行事例となるNAFTA再交渉の推移を、韓国政府は注意深く見守っている。

 トランプ政権が実際に対韓FTAの破棄に踏み出せば、米韓関係の悪化と受け止められ、核ミサイル開発を進める北朝鮮への対応で誤ったメッセージとなりかねない。対北包囲網づくりにもマイナスとなる。

 だが、政権内の通商政策をめぐる主導権争いや、NAFTA再交渉の行方次第では、米韓FTA破棄という韓国にとっての悪夢が現実となるシナリオも排除できないのが実情だ。(ワシントン 塩原永久)

米韓自由貿易協定(FTA) 2006年に交渉が始まり、07年に締結・調印された。発効は12年。発効から5年以内に95%の品目の関税を撤廃することなどが定められた一方、韓国が将来的に他の国により高い水準での市場開放を約束した場合は米韓FTAにも自動的に適用されることや、協定内容に違反していなくとも米側投資家らが期待する利益を得られなかった場合は相手国を国際仲裁機関に提訴できる仕組みなども認められている。

北米自由貿易協定(NAFTA) 米国、カナダ、メキシコの3カ国による自由貿易協定。米カナダ自由貿易協定の枠組みを拡大する形で1994年に発効した。域内人口が4億8000万人を超す世界有数の経済圏。

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