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【モノづくり激震 不正の構図(下)】「アナログ経営」の限界 現場任せで品質・競争力低下

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【モノづくり激震 不正の構図(下)】
「アナログ経営」の限界 現場任せで品質・競争力低下

コベルコマテリアル銅管の秦野工場では、銅管のJIS規格の認証が取り消された=神奈川県秦野市(万福博之撮影) コベルコマテリアル銅管の秦野工場では、銅管のJIS規格の認証が取り消された=神奈川県秦野市(万福博之撮影)

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 「銅管の強度はJISの2割増しが一般的だ」。関係者は業界の慣行を説明する。JISに相当する工業規格は海外にも存在し、求められる品質自体に差があるわけではない。必要水準を上回る品質こそ日本製造業の強みだったが、それがいつしか建前になっていた。

 電気自動車(EV)や軽量な低燃費車をめぐる需給の逼迫(ひっぱく)-。神戸製鋼と日産は同じ理由で増産の号令がかかり、現場には「コスト削減」「納期厳守」の重圧がのしかかっていた。

 「日本の製造現場にひずみが生じている」。製造コンサルティング会社、平山の寺崎赫(あかし)顧問は指摘する。各製造工程で逐一品質をチェックし、工程ごとに品質を保証するのが日本流。出荷前の検査で不良品をはじけばいいという海外とは思想が違う。だが、EV化の急速な進展など世界規模でモノづくりの地殻変動が起こる中、現場の地道な「カイゼン」の積み上げに主眼を置く日本流のモノづくりは限界に直面している。

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 「自分の仕事は品質管理じゃない。つくることだ」。寺崎氏は海外工場の訪問時に作業員のこんな声をよく耳にする。各工程で品質を作り込む日本とはかけ離れているが、だからこそ欧米などでは「人任せでは品質を維持できない」と検査部門で自動化やデータ共有化の取り組みが進み、品質管理や技術基準の不透明さを取り除いている。

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