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【モノづくり激震 不正の構図(上)】神鋼、企業統治機能せず 誤った自信で常態化

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【モノづくり激震 不正の構図(上)】
神鋼、企業統治機能せず 誤った自信で常態化

神戸製鋼所の大安工場(三重県いなべ市) 神戸製鋼所の大安工場(三重県いなべ市)

 川崎博也会長兼社長ら経営陣は、そうした現場の状況を正確に把握できていなかった。

 「少なくとも3工場で不正が行われていた可能性があります」

 川崎氏は、8月30日にアルミ・銅事業担当の金子明副社長からそう報告されてがくぜんとした。昨年のJIS違反で不正は絶えたと思い込んでいたからだ。その1時間前に部下から不正を知らされた金子副社長もショックを受けたという。

 各事業部門が「たこつぼ化」し、本社の監視の目が届きにくくなる複合経営の閉鎖性を川崎氏は実感していた。昨年4月から会長を兼ね、自らに権限を集中したのも経営管理を強化するためだ。

 「人事が固定化し、独自の誤った考え方が醸成されたのではないか」

 川崎氏は10日の記者会見で反省の弁を述べた。

 今年5月以降、川崎氏は大安を含む主要拠点に足を運び、新たに策定した社員の行動規範「3つの約束、6つの誓い」の徹底を現場社員に呼びかけてきた。3つの約束の最初に掲げたのが、「信頼される技術、製品、サービスを提供します」だった。

 しかしその後、長府製造所(山口県下関市)で不正の隠蔽(いんぺい)が発覚。行動規範はあっさり破られた。アルミ・銅部門の幹部は「個人的にはそれが一番ショックだった」と肩を落とす。

 10月の不正公表後、神戸製鋼ホームページから「3つの約束、6つの誓い」がひっそり姿を消した。

 「今回の件で信頼が揺らいでおり、仕切り直しのためにいったん外した。撤回したわけではない」

 勝川四志彦常務執行役員は10日の会見でこう釈明した。

 神戸製鋼の性能データ改竄、日産自動車とSUBARU(スバル)の無資格検査問題…。日本のモノづくりを揺るがす不正の根幹に迫る。

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