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【歪みの代償 東芝半導体売却(中)】人材逃げ出す泥船 信頼崩壊で多難な前途

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【歪みの代償 東芝半導体売却(中)】
人材逃げ出す泥船 信頼崩壊で多難な前途

 IT系エンジニアへの人材需要は急伸している。転職支援サービス会社によると、転職求人倍率(8月)は全体の1・9倍に対しIT系エンジニアは3・88倍だ。

 人材争奪戦の中で、落ち目の東芝は“草刈り場”になりかねない懸念がある。「辞める技術者らの率がいつもよりも高くなっている」。小さい声でそう打ち明けた東芝幹部は内心穏やかでないはずだ。

 上場維持のため売却対象となった半導体子会社「東芝メモリ」。来年3月末の売却完了という日程から逆算すれば売却先の決定は今年8月末が期限とされた。だが、東芝の意思決定は迷走を重ねた。

 月をまたいだ9月上旬、あるファンド幹部は煮え切らない東芝を評してこう吐き捨てた。「春からずうっとこんな調子だよ。最初は5月ごろって言ってたんでね。まだ時間かかるよ」。投げやりな言葉にあきらめと不信がのぞく。

 東芝はこの迷走と同時並行で、決算と有価証券報告書の発表も延期を繰り返した。そのたびに「リーダーシップの欠如」「優柔不断」「決められない東芝」と、酷評がメディアをにぎわした。かつての名門企業の醜態続きに外部の信頼は崩れ落ちていった。

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