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東芝を待ち受けるいばらの道 続く訴訟リスクと独禁法審査…さらに大きな“爆弾”も

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東芝を待ち受けるいばらの道 続く訴訟リスクと独禁法審査…さらに大きな“爆弾”も

東芝本社が入るビル=東京都港区(原田史郎撮影) 東芝本社が入るビル=東京都港区(原田史郎撮影)

 東芝が28日、半導体子会社「東芝メモリ」の売却契約を「日米韓連合」と締結したことで、迷走し続けた交渉に区切りが付いた。ただ、米ウエスタンデジタル(WD)との間には訴訟リスクを抱えたままで、待ち受けるのはいばらの道だ。

 東芝が子会社売却を急いだのは来年3月末までに売却益によって債務超過を解消し、上場維持を図るためだ。契約締結は経営再建の第一歩といえる。

 しかし、四日市工場(三重県)で協業するWDは売却差し止めを求め、国際仲裁裁判所に提訴。仲裁裁がWDの主張を認めて売却を無効と判断すれば、契約が白紙に戻る可能性がある。

 また、来年3月末までの売却完了には、各国の独占禁止法審査を通過する必要がある。連合に加わる韓国半導体大手のSKハイニックスを東芝メモリの機密情報から遮断するが、半導体産業に力を入れる中国で当局が両社を一体ととらえ、高まる世界シェアを問題視すれば、半年程度とされる審査が長期化しかねない。

 ハードルを乗り越えて売却しても、虎の子の半導体子会社を失い「稼ぐ力」は一気に弱体化する。平成29年4~6月期の連結営業利益966億円のうち半導体事業だけで実に約93%を稼ぎ出しているからだ。

 今後は社会インフラ事業などを柱にして生き残る青写真を描くが、「大きな利益は期待できない」(東芝幹部)ため、新たな成長モデルを早急に示す必要がある。

 さらに、東芝はもう一つ大きな“爆弾”を抱える。東芝は25年、米国産液化天然ガス(LNG)を20年間にわたって年間220万トン仕入れる契約を締結した。しかし、原油安でLNGが割高となり、納入先探しが難航。最大約1兆円の損失が発生する恐れもある。

 再び債務超過に転落すれば今度こそ致命的な状況に陥るといえ、なおも東芝は綱渡りを強いられる。(柳原一哉)

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