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【正論】深刻な人手不足 生産性向上へまず処遇改善を 甲南大学教授・加護野忠男

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【正論】
深刻な人手不足 生産性向上へまず処遇改善を 甲南大学教授・加護野忠男

加護野忠男・甲南大学教授(頼光和弘撮影) 加護野忠男・甲南大学教授(頼光和弘撮影)

 川下の買い手企業も、川上のサプライヤーの経営が成り立って初めて自社の事業が継続できるという現実を直視しなければならない。最終消費者も、享受している便益を今後も得ようとすれば、相応の負担が必要だということを認識すべきだ。その負担増がより良い産業社会をつくることに貢献するということを理解してほしい。

 生産性を高めることができれば、その余力で正規雇用の従業員を増やすこともできるし、労働時間の短縮や賃上げも可能になる。政府が考えている働き方改革が自然に実行できる。しかし、生産性向上の成果が投資家への流出増につながってしまえば、従業員の処遇改善にはつながらない。

 長引くデフレの中で日本のモノづくりの現場はすさんでしまった。残業は増え、現場は低賃金の非正規従業員頼みになってしまった。その結果、日本製品の品質もかつてほどではなくなりつつある。最大の原因は、企業を金融商品としか考えない海外の短期投資家に迎合して行われた企業統治制度改革にある。その結果、投資家の圧力が大きくなって、資金の社外流出が増加してしまった。経営者の視野は狭くなり、配当を増やすために、目先の利益ばかりを追い求めるようになってしまった。

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