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【主張】
東芝決算 なお残るリスクの排除を

第1四半期決算会見で記者の質問を切り上げ足早に会見場を出る綱川智社長=10日午後、東京都港区(桐山弘太撮影) 第1四半期決算会見で記者の質問を切り上げ足早に会見場を出る綱川智社長=10日午後、東京都港区(桐山弘太撮影)

 経営再建中の東芝が平成29年3月期決算をまとめ、有価証券報告書を関東財務局に提出した。

 決算内容で監査法人と対立し、6月末の提出期限に間に合わない異常事態に陥っていたが、監査法人から「限定付き適正」との承認を得た。

 もとより、上場廃止を回避できたという段階ではない。なお残るリスクを慎重に見極め経営課題の解決に取り組まなければならない。

 米原発事業をめぐって多額の損失処理を迫られ、負債が資産を上回る債務超過に転落した。これを今年度末までに解消できなければ、上場廃止となる厳しい状況に変わりはない。

 同社は半導体事業を売却して債務返済に充てる計画だが、提携先の米社と訴訟合戦に発展し、円滑な事業売却はまだ見通せていない。早期の対立解消に向けて、万全の態勢で臨んでもらいたい。

 東芝の会計監査を担当する「PwCあらた監査法人」は、米原発事業の損失発生を「もっと早く認識していたはずだ」と主張し、過去にさかのぼって決算修正を求めていた。

 東芝はこれに反対し、有価証券報告書の提出時期を延長して調整を続けてきた。

 最終的に、あらたは前期末時点で5529億円の債務超過だとする決算の内容を適正だとする一方、損失発生の認識時期は東芝側と見解が異なるとして「限定付き適正」とした。

 双方の主張を取り入れたものだが、それができるなら、なぜもっと早期に出せなかったのか。

 東芝の決算発表は何度も延期され、市場の信頼を損ねてきた。株価の乱高下も続いている。ここまで事態が長期化した責任は、東芝だけでなく、監査法人にもあると受け止めるべきだろう。

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