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【通商新時代 EPA 日欧の選択(下)】卵、日本酒…車以外でも戦果 攻めの交渉 今後の指針に

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【通商新時代 EPA 日欧の選択(下)】
卵、日本酒…車以外でも戦果 攻めの交渉 今後の指針に

福島県産の日本酒を提供するブース=6日、パリ(共同) 福島県産の日本酒を提供するブース=6日、パリ(共同)

 「5億人の欧州市場を確保したい。この1年は攻めの姿勢を最後まで貫いた」

 酒類の交渉に携わった財務省幹部は振り返る。国産酒類の輸出拡大に向け、ワインや日本酒、焼酎など酒類は発効と同時の関税撤廃を勝ち取った。

 それだけではない。著名産地を知的財産に指定する地理的表示(GI)で「日本酒」を保護し、厳格な醸造規制の緩和も図るなど、EUが「中世から続く仕組み」(欧州委員会担当者)と胸を張る伝統的なものづくりの世界で国産酒類を認めさせた戦果は大きい。

 例えば国産ブドウのみを原料に国内で醸造したワインは、EUが定めた糖類添加などの規制を満たさなくても「日本ワイン」として流通が認められる。本格焼酎(単式蒸留焼酎)はEUが指定した容量の瓶でしか欧州で販売ができなかったが、発効後は日本で売られている四合瓶や一升瓶でも輸出できる。

■ ■ ■

 交渉筋は「これまでの通商交渉は守り一辺倒で、やせ我慢を続けてきた。攻めに転じた今回はモデルケースになる」と意気込む。

 少子高齢化で国内市場が縮小するなか、生産者を“外敵”から守るだけでは結局じり貧になる。海外勢と対等に戦い、むしろ攻め込むだけの強さが必要だ。

 トランプ米政権の誕生と環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱表明後、大規模な自由貿易協定(FTA)交渉は世界中で様子見に入った。こうした中で、米国を除くTPP参加11カ国の交渉が具体的に動き出し、日欧EPAも妥結に至った。経済官庁幹部は「通商交渉の風向きが変わった」と指摘する。

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