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【平成30年史 JRの歩んだ道編(3)】分割めぐる激しい対立 印刷所 盗み見た守旧派文書

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【平成30年史 JRの歩んだ道編(3)】
分割めぐる激しい対立 印刷所 盗み見た守旧派文書

国鉄分割民営化とJR発足後の経過 国鉄分割民営化とJR発足後の経過

 分割により、東日本、東海、西日本の「本州3社」は首都圏など三大都市圏と東海道新幹線という潜在力の高い営業基盤を与えられた。代わりに、各社年収をはるかに上回る12・4兆円(平成4年度)の借金を引き継いだ。

 一方、経営環境が悪かった北海道、四国、九州の「3島会社」は「民営化の持参金」ともいえる計1・3兆円の「経営安定基金」が与えられ、運用益で赤字を補填(ほてん)する仕組みが用意された。

 誤算だったのは「ゼロ金利」に代表される低金利政策だった。低金利で返済の負担が軽くなった東海は、リニア中央新幹線の自社開発に乗り出した。反対に3島会社は、経営安定基金が想定された運用益を稼ぐことができず、ますます細る結果となった。九州は不動産事業などで自立し昨年10月に株式の上場を果たしたが、対照的に北海道と四国は同じ28年度に過去最大の赤字を計上する見通しだ。

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 分割から30年が過ぎ、各社の独立経営は守られているが、「勝ち組」と「負け組」にくっきりと二分された。北海道と四国は「第二の国鉄」ともいえる様相を呈している。

 改革派幹部の一人は、経営基盤の弱かった「3島会社」を重りに例えて、こう説明する。

 「重りを背負ったままでは本体ごと沈んでしまうところだった。切り離してこそ鉄道は再び浮上できたのだ」(敬称略)

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