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【平成30年史 JRの歩んだ道編(3)】分割めぐる激しい対立 印刷所 盗み見た守旧派文書

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【平成30年史 JRの歩んだ道編(3)】
分割めぐる激しい対立 印刷所 盗み見た守旧派文書

国鉄分割民営化とJR発足後の経過 国鉄分割民営化とJR発足後の経過

 守旧派の方針案が印刷所に発注されました-。

 昭和59年の仕事納めだった12月28日、多くの職員が帰り支度を始めるなか、改革派のある国鉄幹部に部下がそっと耳打ちした。

 「方針案」とは、「一つの国鉄」を守ろうとする「守旧派」の国鉄役員が秘密裏に作成していた独自再建案だった。当時、国鉄をめぐっては分割民営化を進める政府再建監理委員会や「改革派」と、守旧派が激しく対立していた。

 耳打ちされた幹部は東京西部の印刷所へ向かった。素知らぬ顔で「文章校正をするので、試し刷りを見せてください」と話しかけると、印刷所の従業員は疑うこともなく秘密文書を差し出した。

 「やはり分割しない方向で考えているのだ…」

 「基本方策」と呼ばれるその文書は長期債務20兆円を抱えながら全国一体の国鉄を死守しようとする守旧派が上げた反撃の烽火(のろし)でもあった。

 守旧派の“手の内”を知るための禁断の一手。その後の改革派の動きは素早かった。その日のうちに基本方策を分析。問題点を列挙した反論文書を作成し、政界やマスコミに根回しを行った。60年の年明け、守旧派が「非分割」の方針を発表すると、その主張はすぐさま論破されていった。

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