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【平成30年史 JRの歩んだ道編(1)】国鉄時代、過酷な労使交渉 異動介入「断ると将来ないよ」

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【平成30年史 JRの歩んだ道編(1)】
国鉄時代、過酷な労使交渉 異動介入「断ると将来ないよ」

午前0時、JRが誕生した瞬間、駅員はそっと腕時計に視線を落とした=昭和62年4月1日、大阪駅 午前0時、JRが誕生した瞬間、駅員はそっと腕時計に視線を落とした=昭和62年4月1日、大阪駅

組合入らず「見せしめに」

 「組合に入らないからだよ」

 JRの一社に長年勤務する男性職員は最近になって、昇進試験に合格した同僚に耳打ちされた。同僚が次々と昇進する中、男性は何度受験しても合格できずにいたからだ。

 異変は入社1年目から始まっていた。労組への参加は個人の自由-。そう信じる男性は入社時に加入申請書を提出しなかった。だが、ある日の勤務後、事務所に連れて行かれロッカー室のような部屋で10人くらいの男に取り囲まれた。

 「組合に入れば昇進できるぞ」「ちょっと悪いことしても助けてあげられる」「入らないと将来大変だよ」

 それでも断ると、男性は遠方の過酷な職場へ転勤させられた。通常ではあり得ない異動は数回に及んだ。会社からは「人手が足りないから」と説明された。

 「組合に入らないとどうなるのか、見せしめにしたいのでしょう。まじめに働いているだけなのに」

「復讐される怖さが襲った」

 民営化後、こうした不合理な組合活動の一端が、表面化した事件も起きた。

 平成14年11月、警視庁がJR東日本本社にあるJR東労組の事務所など関係箇所を一斉に捜索した。

 発端は浦和電車区の運転士だった男性職員が、他の組合に所属する元同僚とキャンプに行った。それを「組織破壊に値する」と執拗(しつよう)に追及し、退職に追い込んだ強要の疑いだった。

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