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【高論卓説】ビッグデータは保護されるか 財産権の対象外 管理に細心注意が必要

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【高論卓説】
ビッグデータは保護されるか 財産権の対象外 管理に細心注意が必要

システムの動作確認用に各社製のサーバーが並ぶ伊藤忠テクノソリューションズの「ビッグデータ検証ラボ」=東京都千代田区 システムの動作確認用に各社製のサーバーが並ぶ伊藤忠テクノソリューションズの「ビッグデータ検証ラボ」=東京都千代田区

 では、ログ、オペレーション、カスタマー、センサーなど単なる数値や文字の羅列など、それ自体では意味をなさないデータについてはどうか。いわゆるビッグデータといえば、これらのデータの集合をイメージする人が多い。企業はこれらのビッグデータを有効活用しようとしているが、法律上保護されるのだろうか。個人情報保護法が絡むと論旨がぼやけるので、ここでは個人情報ではないことを前提とする。

 単なるデータは、特許権、実用新案権や意匠権の対象ともならないし、思想や感情を表現したものでもないから著作権の対象にもならない。有体物でもないから所有権の対象にもならない。

 唯一考えられるのは、企業が保有する営業秘密の不正取得などを規制する不正競争防止法だ。同法は財産権を発生させる法律ではなく、同法による保護を受けるには秘密に管理されているなど一定の要件が必要になる。財産権の対象とはならないため、データを不正利用されても、法的に追及できない場合がある。

 また、企業間でこういったデータについてライセンスなど契約の対象としている場合もあるが、財産権として保護されているわけではないので、「ビッグデータAの権利は、Xに帰属する」などと規定しても、法的に正しいわけではない。

 裁判になった場合、思わぬ判決が下される可能性もある。契約では、対象となるデータを正確に特定し、何をしたら契約違反となるのか厳密に規定しておかなければ、契約上の義務違反に問えないこともありうる。

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