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【浜田宏一・内閣官房参与、田村秀男・産経新聞編集委員対談】「対中強硬追い風に」「日米緊密化は必然」

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【浜田宏一・内閣官房参与、田村秀男・産経新聞編集委員対談】
「対中強硬追い風に」「日米緊密化は必然」

 浜田「政府が財政赤字をつくることは、必ずしも悪くない。少なくともデフレ経済ではよいことかもしれない。最近は米国の学界で物価の財政決定理論というのが有力になっている。民間部門が不況やデフレに悩んでいるときには公債を発行してお金を見せるという意味での一種の「見せ金」をみんなに持たせることも有効ではないかという考えに、米国の経済学者は最近どんどん移ってきている」

 田村「プリンストン大学のシムズ教授は8月下旬、金融政策関連の国際会議で、金利の低下は、効果的な財政支出拡大を伴ってこそ需要を拡大すると指摘しました。マイナス金利によって政府の金利負担が減っても銀行収益や預金者の収入が奪われる場合、マイナス金利は物価を上げず、脱デフレを妨げるというわけです。消費税増税はデフレ圧力を生むとして反対し、財務省や学界やメディアの主流派を批判してきた者としては、胃の腑に落ちる」

 浜田「日本の経済学者の間では、これは『米国では主流ではないから』と言って新しい理論を排除する傾向がある。私は2月初めにシムズ教授を日本に呼んで講演してもらうようにしています」

 田村「それで現実に適用できる物価・財政理論がデフレ日本に紹介され、徐々に広がると期待できる。日銀はすでに参考にしているようですが、財務官僚も習ってほしいですね。でも、まるで米国で人気のハリウッド映画が半年遅れて日本で公開されるようなもので、情けない気もする」

        

■浜田宏一(はまだ・こういち) 米エール大学名誉教授。国際金融論、ゲーム理論の世界的権威。内閣官房参与として安倍首相の経済政策指南役を務め、日銀の異次元金融緩和政策を支持してきた。主な著書は『経済成長と国際資本移動』『国際金融の政治経済学』『エール大学の書斎から--経済学者の日米体験比較』『アメリカは日本経済の復活を知っている』『グローバル・エリートの条件』

■田村秀男(たむら・ひでお) 産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員で、早稲田大学大学院経済学科講師を兼務。脱デフレのためには財政出動と日銀緩和の両輪が必要と一貫して論じ、デフレ下の消費税増税に反対してきた。主な著書は『人民元・ドル・円』『経済で読む日米中関係』『財務省「オオカミ少年」論』、『アベノミクスを殺す消費増税』『日経新聞の真実』『人民元の正体』

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