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【農業改革案】全農の急進的改革、事実上の骨抜き

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【農業改革案】
全農の急進的改革、事実上の骨抜き

規制改革推進会議に臨む(左から)大田弘子議長、安倍晋三首相ら=28日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影) 規制改革推進会議に臨む(左から)大田弘子議長、安倍晋三首相ら=28日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)

 政府の規制改革推進会議がまとめた全国農業協同組合連合会(JA全農)の改革案は、JAグループや自民党農林族の反発で全農の“自主性”任せとする内容となり、11日に同会議が示した急進的な改革案は事実上、骨抜きとなった。安倍晋三首相は全農改革を「農業の構造改革の試金石」としていたが、抜本改革がどこまで進むか見通せない状況だ。

 「規制改革が今まで簡単だったことはない。利用者の立場に立って一歩一歩、進めていく」

 推進会議後の会見で、大田弘子議長はこう述べた。推進会議が11日提言した改革の柱は(1)資材の購買事業の1年以内の縮小(2)農産物の委託販売を1年以内に廃止し、全量買い取り販売に転換(3)金融事業を行う地域農協の数を3年以内に半減する-との内容だった。

 期限を切るなど踏み込んだ提言に、自民党の小泉進次郎農林部会長も同調。自身が委員長を務める党のプロジェクトチームでも、推進会議の提言に沿った案をまとめる方向だった。

 ただ、JA全農は「人員が削減されると競争力が弱まる」と強く反発。自民党の農林族も同調し、二階俊博幹事長が調整に乗り出す事態となった。結局、25日の自民党部会での結論を踏まえて推進会議がまとめた案では、期限や地域金融機関を半減するなどの目標が削除された。代わりに、JA全農が数値目標を記した年次計画を作り、政府が点検する仕組みとなった。

 だが、民間組織のJA全農に対し、政府は強制力を持たない。長年、非効率な流通システムを放置してきたJA全農が、積極的に身を切る改革を進められるかには疑問が残る。安倍政権が掲げた農業の競争力強化は、少子高齢化が進む日本に不可欠だけに、たゆまぬ改革が必要だ。(山口暢彦)

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