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【評伝】富士通元社長の秋草直之さん 17年前に「IoT」先取り

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【評伝】
富士通元社長の秋草直之さん 17年前に「IoT」先取り

富士通と米マイクロソフトの業務提携を発表する秋草直之氏(左)=平成12年9月 富士通と米マイクロソフトの業務提携を発表する秋草直之氏(左)=平成12年9月

 「メインフレーム」と呼ばれた大型汎用(はんよう)コンピューターが世に出始めた昭和36年、富士通信機製造(現富士通)に入社し、文系出身者ではただ一人、プログラミング部門に配属された。システムエンジニア(SE)という言葉がまだ一般化していないころ、「SE一期生」を自任した。

 以来、一貫してシステム開発部門を歩み、ハードからソフト・サービスへの転換をリードした。異業種との提携も推進し、いまや富士通の屋台骨となった「ソリューションビジネス」の育ての親だった。

 身長180センチを超える体格と野太い声から豪腕のイメージが強い。だが、営業で大阪に赴任したときは「飛ばされたのかも…」と弱気な面もみせた。

 社長だった平成13年、週刊誌のインタビューで業績悪化の責任を問われ「業績が悪いのは社員が働かないからだ」と発言し、多方面から問題視された。ただ、本人は「社員だけに責任を転嫁したわけではない」とこぼしていたようだ。

 社長と会長を5年ずつ務め、相談役となっても「陰の実力者」と評されたが、ぼくとつな人柄で社員からは「秋さん」と親しまれた。現在の「IoT」を先取りした「エブリシング・オン・ザ・インターネット」というビジョンを17年前に掲げるなど、先見性を備えた経営者だった。

(芳賀由明)

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