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海洋冒険家、白石康次郎が単独無寄港で地球一周。世界一過酷なヨットレースに参戦表明

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海洋冒険家、白石康次郎が単独無寄港で地球一周。世界一過酷なヨットレースに参戦表明

---現在は資金集めに奔走中

 今日もスーツで営業まわり。まず、人間界の“冒険”を達成してそれから自然界の冒険です。他の有力選手たちは大会の2年前にスポンサーが決まり、10ヶ月かけて船を作り、1年間練習してレースに臨む。でも僕は今の時点でスポンサー集めと、いかにいい中古艇を手に入れるかに走りまわっている。出場に間に合うかギリギリのタイミングです。

 

---アジアから出場。どんなハンデが?

 2位に入った前回のレース(5OCEANS)では、船を輸送するお金がないので日本で船を買ってスタート地点のアメリカまでヨットで行きました。日本から一人、太平洋を渡ってサンフランシスコに寄って、パナマ運河を越えてマイアミを通ってやっとスタートラインに到着。すでに地球を半周ですから、マラソンランナーが自宅からスタート地点まで地点まで走っていくようなものです。みんな「よく日本からこの船に乗ってきたなあ」と尊敬してくれますが、それだけハンデはあります。今回はフランスで中古艇を買いましたがトップセーラーがたくさんいる中、やっぱりアジアからの参戦は不利。でも言いだしっぺだから大変とは言わず精一杯やります。

---来年50歳。レースに向けてのモチベーションの変化は?

 ありません。ただ、若い時のやり方では大怪我をするので、今の自分のコンディションで目標を変えずに思いを変えないといけない。僕はジムでこの20年、ほとんど同じメニューをやっていてパワーは変わりませんが、10年前と今と何が違うかというと回復力。2日では無理で4日ないと筋肉痛がとれない。若い時には体を鍛えていじめることが必要ですが、40、50代になると回復に時間とお金がかかる。

---不調を感じたのはいつ頃から?

 42歳のころ具合がわるくなって、友人の医者に診察を受けたら「病名は年だ」と言われた。このとき、初めて不調の原因が“年”なんだと気づきました。症状としては頭のイメージと体が一致してたのがズレてきた。いままでどおりやってるのに調子悪い、気持ちわるい。運動会でお父さんが昔のイメージで走ろうとすると転んでしまうのと同じかもしれません。でもこれはいいアドバイスだと納得した。なるほど、これからは年と戦わなきゃいけない。そうなるとキーワードは回復なんです。

---ここ数年は子どもたちに冒険の楽しさを伝える活動「冒険塾」を主催。ヨットを通じて伝えたいことは?

 ヨットを続ける本当の目的について「誰よりもヨットで早く走りたいわけじゃないでしょ?」と女房に言われたことがあります。本当にそうなんです。僕は元気で明るい世の中を作りたいと思っています。

---明るい世の中を作るための冒険の意義

 自信があるから冒険できるんじゃない。冒険したから自信がついた。これは大切なことで、ベンチプレスを100キロ持ち上げられるのは力があるからじゃない。100キロ持ち上げたから力がついた。重たいものを持ったから力がつく。子どもは大人がかけた言葉でできているから、到底できないと思うことに、挑戦することの意義を伝えたい。人生は生もあれば死もある。それを全部表現できるのがヨットレース。それが僕の天命です。

---この大会でめざしていること

 優勝は約束できません。でも生死を問わず全力を尽くします。経験が大事なヨットレースでは40~50代が最も脂が乗っている世代。僕は世界一周を3回経験しているし、まだ体力もある。(テニスの)錦織君やラグビーが世界で活躍しているように世界と戦うのは僕も一緒。そのつもりで子どもたちは世界を見てほしい。ぼくの背中を見てほしい。

(プロフィル)

白石康次郎(しらいし・こうじろう)。海洋冒険家。幼い頃に抱いた海の先に広がる世界への憧れから、ヨットで世界一周を目指し、1994年、史上最年少で単独無寄港世界一周を達成。単独世界一周を3回経験している。師匠は第一回BOCレース(アラウンドアローン)優勝者の多田雄幸。ヨット名「スピリット・オブ・ユーコー」は師の名前から取られている。2007年5月 単独世界一周ヨットレース「5OCEANS」クラスIで2位でゴール。日本人初参戦のクラスIで快挙を達成。2008年、「Gitana13」サンフランシスコ~横浜間 世界横断記録樹立など数々の記録を持つ。ヨットレース以外でも多方面に活躍し、最近では児童福祉にも力を入れている。また、船のメンテナンス費用を捻出するために、クラウドファンディングでも資金集めを行う予定。

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