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【正論】防衛力整備へ隘路を切り開け 同志社大学教授・村田晃嗣

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【正論】
防衛力整備へ隘路を切り開け 同志社大学教授・村田晃嗣

同志社大学教授・村田晃嗣氏 同志社大学教授・村田晃嗣氏

 ≪中国の国防費は日本の10倍に

 このままで推移すれば、30年には中国の国防費は日本の10倍以上になるとの予測もある。自由民主党は防衛費をNATO並みのGDP比2%まで増額するよう主張しているが、財政的にそれはなかなか実現困難であろう。せめてGDP比1・2%か1・3%を実現したい。これでようやくドイツ並みなのである(昨年の世界平和研究所の政策提言にも、そうある)。

 その上で、限られた資源を有効に配分しなければならない。サイバー・セキュリティーは喫緊の課題の一つであろう。専門家の養成が急がれる。これは民間とて同じことである。安保法制をめぐって、集団的自衛権の行使が合憲か違憲か論争になったが、そもそも1946年に日本国憲法が公布されたときにはサイバー空間はなかったのであり、サイバー空間で個別的自衛権と集団的自衛権が区別できるはずもない。

 また、アメリカからの武器購入も高額で、累積して防衛費を圧迫している。いかに同盟間といえども、したたかな駆け引きを要するビジネスの話でもある。日本国内で防衛産業を育成するとともに、防衛費の微増を繰り返すのではなく、上述のように目標を設定することで、同盟国として対米交渉の立場を強化する必要があろう。

 さらに、いわゆるグレーゾーン対処のためにも、海上保安庁の予算と装備も大幅に増強しなければならない。ここ数年、海保の予算はかなり増えてきたが、それでも補正を含めて2400億円程度である。これでは東京大学の年間予算と同じ規模だ。尖閣諸島周辺で中国海空軍の活動が活発になってきているし、海保は尖閣諸島だけに対処しているわけではない。日本には6千を超える島々がある。

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