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【日曜に書く】「東京水害」への備えは万全か 論説委員・井伊重之

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【日曜に書く】
「東京水害」への備えは万全か 論説委員・井伊重之

停電で明かりが少ない札幌市中心部の大通公園付近。手前中央にさっぽろテレビ塔がある=6日午後6時30分 停電で明かりが少ない札幌市中心部の大通公園付近。手前中央にさっぽろテレビ塔がある=6日午後6時30分

 水害被害を少しでも減らすにはハード面の整備に加え、早期避難などのソフト面の対策も重要となる。

 東京東部の江戸川や足立など5区協議会は先月、豪雨で区内を流れる荒川と江戸川が氾濫した場合の広域避難計画をまとめた。地域住民の9割以上に相当する約250万人を近隣の埼玉や千葉など他県に避難させる前代未聞の大規模作戦だ。

 協議会は3日間の総雨量が荒川周辺で600ミリを超えた場合、北千住駅の周辺などでは2階まで浸水し、2週間も水が引かない恐れがあるという。このため、協議会は「被害を最小限に抑えるため、避難の発想を大きく転換した」という。

命を守るインフラ整備を

 ただ、その具体策づくりはこれからだ。荒川が氾濫すれば、埼玉や千葉などでも大きな被害が生じる。各県は地元住民の災害対応を進めながら、都からの避難民も受け入れなければならない。協議会は自力で避難してもらうことを想定しているが、高齢者らに対するケアも必要だ。交通手段の確保を含めた入念な準備が欠かせない。

 北海道で震度7を記録した地震では、火力発電所の故障によって北海道全域が停電し、復旧作業にも大きな影響を与えた。自然災害とは「想定外」の連続であることを私たちは東日本大震災で学んだはずだ。それだけに命を守るインフラ整備に手を抜いてはならない。(いい しげゆき)

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