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【正論】一億総活躍の取り組みこそ先決 日本財団会長・笹川陽平

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【正論】
一億総活躍の取り組みこそ先決 日本財団会長・笹川陽平

日本財団の笹川陽平会長(栗橋隆悦撮影) 日本財団の笹川陽平会長(栗橋隆悦撮影)

 ≪1600万人を超す潜在労働力≫

 一億総活躍社会の実現こそ抜本的な解決策につながる。前述した1600万人には障害者や難病患者のほか、職を持たない若者や2年以上の失業者など幅広い層が含まれる。今や国民の4人に1人を占め、近年、健康寿命が延びている高齢人口を例にとると、70%が定年後の就労を希望しているのに対し現実に職を得ているのは6人に1人に留(とど)まり大きな余力がある。

 現在、150万人が働く看護の世界も、職を離れている潜在看護師が約60万人存在する。今後、人工知能(AI)ロボットや遠隔操作で動く分身ロボットが発達すれば、寝たきりの患者や育児や介護で自宅を離れられない主婦らが就労する道は広まる。

 NIPPON計画では「身体」「知的」「精神」を合わせ約860万人に上る障害者の就労支援に取り組んできた。障害者総合支援法に基づき全国で約26万人が働く就労継続支援事業は、労働契約を結んで働くA型事業所が約3600カ所、障害の程度が重いB型が約1万700カ所整備され、現時点では、働く意欲を持つ人々の就労を促進する上で最も充実した受け皿となっている。

 A型の月平均賃金が7万3000円、最低賃金制の適用を受けないB型の工賃が同1万5000円と、その低さが問題となっていたが、高単価の事業の発掘を中心にモデル事業所づくりを進めた結果、賃金や工賃が増え、生活保護から脱却、自立する障害者も出始めている。

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