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【正論】インド太平洋戦略を活性化せよ 平和安全保障研究所理事長・西原正

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【正論】
インド太平洋戦略を活性化せよ 平和安全保障研究所理事長・西原正

平和安全保障研究所の西原正理事長  平和安全保障研究所の西原正理事長 

 ≪掛け声だけに終わっていないか≫

 安倍晋三政権は2016年以来「自由で開かれたインド太平洋戦略」という外交戦略を掲げてきたが、まだ内容は薄いままだ。掛け声だけに終わっている感がある。

 筆者は今年7月末に上海で開催された国際会議に参加したが、東南アジアの複数の参加者は「インド太平洋戦略で東南アジアはどこに位置づけられるのか」「日米豪印クワッド(4カ国)協力だけがインド太平洋戦略と言うのはおかしい」などの発言をしていた。安倍政権がこの戦略を重視するのであれば、早急にもっと内容のあるものにすべきだ。

 安倍首相のインド太平洋戦略はそもそも07年にインド太平洋地域の4つの民主主義国・日米豪印による地域安全保障のための連携(「安全保障ダイヤモンド」あるいは「クワッド協力」)を提唱したことで始まったとされている。

 同年9月に4カ国にシンガポールが加わった合同軍事演習が行われたり、17年11月に4カ国の外務省局長級会合がマニラで行われたりしたことはあったが、4カ国の首脳会談はまだ実現していない。インドは中国の反発に配慮して日米印に豪を加えた首脳会談には躊躇(ちゅうちょ)しているといわれる。

 このように、4カ国の連携はまだ確固たるものになっていない。にもかかわらず、日米のインド太平洋戦略の中核には日米豪印間の確定された「協定」があるかのように語られることが多い。

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