産経ニュース

【正論】戦後73年に思う 明治の意義顧みるメッセージを 国学院大学名誉教授・大原康男

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
戦後73年に思う 明治の意義顧みるメッセージを 国学院大学名誉教授・大原康男

国学院大学名誉教授・大原康男氏 国学院大学名誉教授・大原康男氏

 ≪往時の父祖の労苦をしのべ

 2つ目のポイント、すなわち、その成果はまず廃藩置県による封建制の完全廃止、税と貨幣制の改革(地租の金納化・円を基準とする十進法による貨幣発行)、殖産興業の推進(各種産業の育成・社会的インフラの整備)、義務教育制度の発足、近代的兵制の整備(中江兆民も賛同した徴兵制の導入)、そしてその総まとめとしての憲法制定と議会の開設-である。そのどれを見ても革命的ともいえる実績を僅か四半世紀足らずの間にかち得た。

 今日の先進国による政府開発援助(ODA)のような結構なものはなく、すべて自前の資金で賄わざるを得なかった往時の父祖たちの労苦に深い感銘を覚えずにはおられない。かくして宿命としての日清・日露戦争をしのぎ、懸案の条約改正が最終的に成し遂げられたのが明治44年のこと。まさに明治一代の御代をかけての大仕事であった。

 偶然のことだが、「明治百年」の首相は維新の源流の一つである長州藩に連なる佐藤栄作、すなわち安倍晋三首相の大叔父である。50年前の政と民との対立を省みつつ、本年10月23日、明治改元の日を期し、国民に向けて首相としての「明治維新百五十年」メッセージを発するよう待望したい。(おおはら やすお)

「ニュース」のランキング