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【産経抄】8月14日

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【産経抄】
8月14日

 CHANGEのGの字の右端を消すと、CHANCEとなる。先週のコラムで紹介すると、早速読者から指摘された。「一言付け加えると、言葉の意味が深くなります」。

 ▼Gの右端にあるのは、実は小さなTの字、社会における決まり事の意味で使われることもあるタブーの頭文字だという。つまり、タブーを消すことによってチャンスが生まれる。とすれば、サッカーW杯に3大会連続で出場した本田圭佑選手(32)にこそふさわしい言葉といえる。

 ▼本田選手が、カンボジア代表チームの事実上の監督に就任するというニュースには驚いた。本田選手といえば、豪州Aリーグのチームへの加入が決まったばかりではないか。豪州からテレビ電話でスタッフに指示を出し、カンボジア代表が国際大会に出場する際はベンチ入りするそうだ。

 ▼本田選手はまた、2020年東京五輪の出場にも意欲を示す。五輪のサッカー男子は原則23歳以下で行われる。本田選手が狙うのは、24歳以上のオーバーエージ枠の3人という狭き門だ。かと思えば、ベンチャー企業に投資するファンドを設立する、ビジネスマンの顔も持つ。

 ▼本田選手は、甲子園史上初の逆転サヨナラ満塁ホームランで敗れた星稜高校の出身である。やはりOBの松井秀喜さんは、競技が違ってもあこがれの先輩だった。「松井選手のようになるには、どうしたらいいか」。小紙の「話の肖像画」で、元野球部監督の山下智茂さんが、本田選手から聞かれたと明かしていた。

 ▼もっとも、前代未聞のタブーなき挑戦を続ける現在の本田選手にとって、もはやモデルとなる人物は存在しないだろう。それでも社会の決まり事に縛られた小欄は、問いかけずにはいられない。何が一番やりたいの?

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