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【正論】なぜ北の非核化は進まないのか 拓殖大学総長・森本敏

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【正論】
なぜ北の非核化は進まないのか 拓殖大学総長・森本敏

拓殖大学の森本敏総長 拓殖大学の森本敏総長

 長期にわたる忍耐が必要だ

 他方、米国は韓国に核を再配備する考えはないが、拡大抑止は米韓同盟の基盤であり、戦略システム(戦略爆撃機や原子力潜水艦)を展開しないということは核に関するNCND政策(核の存在を確認も否定もしない)原則に反するので約束できない。しかし、北朝鮮の核・ミサイル開発は国連安保理決議違反であり、南北非核化共同宣言にも違反している。米朝合意に基づく非核化交渉により、これを実現することは、米国のみならず国際社会の安全と安定に係る米国の重大な責任であると考えているであろう。

 米国が米韓合同演習中止の決定をしたのは、北朝鮮を真剣に交渉に応じさせるためのカードであった。しかし米国が在韓米軍の縮小・撤退というカードをさらに切ることは、北東アジアの平和と安全にとって重大な影響を与えることになる。この交渉は困難で長期にわたる忍耐を必要としているが、すみやかに非核化の実現を図るべきだ。しかも、これは単なる非核化交渉にとどまらず、冷戦後の世界が直面する戦略的問題を含めた極めて包括的な意味合いをもつ交渉であると認識せざるを得ない。(拓殖大学総長・森本敏 もりもとさとし)

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